琥珀ブーム

この2年くらい、私の中で「琥珀」が静かなブームを迎えています。ここでいう琥珀とは寒天を使い表面を乾燥させた干菓子のことで、「干琥珀(ひこはく、かんこはく)」「琥珀糖」ともいうそうです。

俵屋吉富 貴船の彩

私がはじめて知った琥珀菓子がこちら。遠方の友人への手土産を選んでいたときに気になり、自分用に買ってみました。

ガラス棒を乱切りしたかのような不思議な形、飴のような硬さを想像していたのに、シャリっとした表面からプルっとした中身が飛び出したときの驚き――琥珀の何が気に入ったかといえば、この表面シャリシャリ中身プルプルの食感の妙です。

霜月 琥珀

西加茂にあるこちらのお店の琥珀は季節ごとに色とりどり。正月向けの「福来心琥珀(ふくごころこはく)」は甘酒を炊き込み、コタツで寝入るときのようなやさしい味でした。

「加茂の七石」という七色の琥珀詰め合わせも扱っており、こちらは大勢への手土産にもぴったりです。

永楽屋 琥珀紅玉

口の中いっぱいに広がるりんごの風味は、飲み込むのが惜しくなってしまうほど。食感としてはりんごジャムを煮固めたような程よい柔らかさです。秋冬限定。

柏屋光貞 おゝきに

ほかの琥珀が「シャリっ、プルっ」ならこれは「サクっ、モチっ」とでもいいますか、一口でつまめるサイコロ状なのもあいまって、つい手が止まらなくなります。四色のキューブがきっちりと(しかし少々不ぞろいに)箱詰めされた姿もかわいいところ。