今年一年の楽しみを振り返る 2018

美しい世界に浸れる作品が多かった。

映画

さよならの朝に約束の花をかざろう


若い姿のまま長い年月を過ごす一族の娘・マキア。里の襲撃を受けて外の世界に投げ出された彼女が出会ったのは、一人取り残された赤ん坊だった。
岡田麿里の本領発揮というべき親子愛の描写に心打たれる。集団戦闘の動きとカメラワークにも引き込まれた。

君の名前で僕を呼んで


北イタリアの避暑地に来た少年が、父の手伝いに来た青年と出会う。
景色も人の触れ合いも、とにかくすべてが美しい。こんな美しい世界があるのかとため息が出るほどだ。

ペンギン・ハイウェイ


小学四年生のアオヤマ君が、街に突如現れたペンギンの謎を追っていく。
優しい世界に包まれるようなジュブナイル。少年のふるまいのひとつひとつがいとおしい。

億男


借金を抱え妻子と離れて暮らす一男が三億円の宝くじを当てる。
落語「芝浜」の世界に浸れる作品。サハラ砂漠で語られる「芝浜」のなんと美しいことか。

マダムのおかしな晩餐会


パーティの人数合わせのためにゲストに扮せられたメイド・マリアが、英国紳士にひとめぼれされてしまう。
コミカルな前半と裏腹にシリアスな後半に緊張が走る。People love happy endings.というセリフが重くのしかかる。


ほかにも心に残る作品は、

マンガ

見上げると君は

見上げると君は(1) (イブニングKC)

見上げると君は(1) (イブニングKC)

失恋した男子高校生・優希。ストリートミュージシャンの奏でるメロディが彼の琴線に触れる。
二人が同じく一歩を踏み出すといった、ひとつひとつの描写に心揺さぶられる。一話読むたびにセンス・オブ・ワンダーを感じ、「これはすごい」と声に出てしまう。

来年に向けて

美しい世界に触れたい。

『虎屋の五世紀』

虎屋の羊羹と言えばお詫びするときの定番の品。映画やドラマでも虎の並んだ紙袋を下げて謝りに行く姿がよく描写されます。

そんな老舗・虎屋の歴史をつづった書籍が、虎屋のWebサイトで公開されています。その名も『虎屋の五世紀』。

虎屋は室町時代創業とされていますが、それはあくまで「室町時代には確実に存在したに違いない」ということに過ぎず、奈良時代創業説もあるというから驚きです。

第二次世界大戦終戦直後は闇市にも手を出していたというのも面白いところ。読めば虎屋のお菓子を一層味わい深くいただけます。

今年一年の楽しみを振り返る 2017

よい作品が多く、特に映画は選びきれない。

映画

彼らが本気で編むときは、


小学生の少女・トモは叔父の家に駆けこむ。そこにいた叔父の恋人は性同一性障害の元男性だった。
様々な形の愛を抱えた作品。深く多様な愛に涙する。

ラ・ラ・ランド


ハリウッドで女優を目指す女、ジャズピアニストとしての成功を夢見る男。二人が出会った先には……。
冒頭のミュージカルシーンで心をつかまれ、終盤のミュージカルシーンに言葉を失った。夢とはかくも美しいものか! 呆然としつつも心を洗われる。

美女と野獣


田舎町の少女・ベルは父の行方を捜して野獣の住む城に乗り込む。
懐かしい音楽、圧巻のミュージカルシーン。幻想的なダンスシーンに、野獣の哀しい決意を歌った新曲。すべてが高次元の作品。

メッセージ


全世界に突如現れた宇宙船。地球外生命体とのコンタクトを図るため、我が子をなくした言語学者が召集される。
はるかな世界からやってきた「文字」に興味を引き付けられる。

トリガール!


男ばかりの工業大学に入学した烏山ゆきなは、王子様的な先輩につられて人力飛行サークルに入部する。
毒舌な主人公の、ベタな展開からちょっと外したコメディが楽しい。エンディングもよかった。


ほかによかった作品を挙げると、

マンガ

青のフラッグ

青のフラッグ 1 (ジャンプコミックス)

青のフラッグ 1 (ジャンプコミックス)

内向的な高校生・太一は同級生の少女・二葉のことが気になるが、彼女は太一の親友・桃真のことが好きだという。(既刊3巻)
「甘酸っぱい」では足りない、苦いまでの青春。そのまぶしさに悶絶する。

恋は光

恋は光 1 (ヤングジャンプコミックス)

恋は光 1 (ヤングジャンプコミックス)

恋とは無縁の大学生・西条は女性の恋心が「光」として見えるという。(全7巻)
真摯であることが必ずしも幸せにつながるのではないと感じているからこそ、真摯さの報われる物語には涙するところがあるのだろうか。彼ら彼女らに幸あれ。

小説

あしたはひとりにしてくれ

男子高校生・瑛人は家族に言えない秘密の場所で半死状態の女性を見つける。
竹宮ゆゆこの文体自他はそこまで好みというわけではないのだが、そこに描かれる「何ともならなさ」には強くひきつけられる。謎の女・アイスの正体が明らかになったところで彼女が叫ぶ「望み」、それがあっさり切り捨てられる様に唸った。

アニメ

月がきれい

「月がきれい」Blu-ray Disc BOX(初回生産限定版)

「月がきれい」Blu-ray Disc BOX(初回生産限定版)

中学3年の安曇小太郎は、家族で出かけたファミレスで同じく家族連れの同級生・水野茜を見かける。
まっすぐ見られないほどの瑞々しい青春。エンディングに映るケータイのメッセージで完全にやられた。

Just Because!

高校3年の2学期に以前住んでいた街に戻ってきた瑛太。かつての友人を含めた群像劇が幕を開ける。
青春、青春、また青春。登場人物それぞれの表情から目が離せない。

来年に向けて

これを書いている途中でテキストエディタがクラッシュしてしまい、保存の重要さを改めて痛感した。「後悔先にたたず、後悔後をたたず、後悔役にたたず」という高校の恩師の言葉を思い出す。来年に文章を書くときは適宜保存していきたい。

足が絡まっても踊り続ければいい

セント・オブ・ウーマン / 夢の香り

葛焼ブーム

今年の私のマイブームは葛焼くずやきでした。葛焼とは葛を練り固めて表面を焼いたお菓子です。基本的には夏のお菓子で、6〜8月ごろに作っているお菓子屋さんが多いです。

亀屋則克

私が初めて食べた葛焼は亀屋則克さんのものでした。一番好きな葛焼もここのものになります。表面はざらつきが強く、中はつるっとした食感。口の中になめらかな甘さが広がり、食感の組み合わせの妙にうならされます。このお店は5〜9月と比較的長い期間葛焼きを出しており、お値段もお手頃なので親しみが持てます。

とらや

角がピンと立った真四角にそろえてくるあたり、とらやさんの格調高さを思わせます。食感はややもちっとした感じ。

嘯月

生菓子の名店、嘯月。予約制ですが前日でも予約を受け付けてくれることがあり、決して敷居が高くはありません。葛焼(写真左下)はもちっと感が強めのものでした。

塩芳軒

干菓子で有名な塩芳軒ですが、生菓子も負けてはいません。葛焼は10個からの予約制。ただし、すでに別口から予約の入っている日なら少数でも受け付けてもらえます。

亀末廣

ここの葛焼(写真下)が大きさは一番大きかったと思います。なめらかで食べごたえのあるものでした。

末富

上品につるっとした感じの葛焼です。

亀屋良長

本店を改装しイートインもできるようになった亀屋良長さん。葛焼(写真右上)はもちっとした感じでした。

今年一年の楽しみを振り返る 2016

今年も素晴らしい作品に満ちあふれていた。

映画

リップヴァンウィンクルの花嫁


押し流されがちな女性・七海はSNSで知り合った男性と結婚するが……
冒頭から甘い旋律が流れ、岩井俊二監督作品を見ているのだなという気分を盛り上げる。場面ごとに別人のように見える黒木華の演技に、胸が張り裂けそうになりつつも最後には祝福を贈れる。

ズートピア


動物たちの暮らす街・ズートピア、ウサギとして初めて警官になったジュディは、子にアイスを買おうとするキツネ・ニックの姿を目にする。
社会性とエンタメ性を高度に融合させた大傑作。ひとつひとつのシーンが立場を変えて再現される芸術的なまでのリフレイン。単に動物たちの映画ではなく、人類の進歩をうたった映画であると感じた。

ブルックリン


1950年代、アイルランドからニューヨークに一人移住してきたエイリシュ。街にも慣れ恋人もできるが故郷から悲報が届く。
大西洋を隔てた圧倒的な距離に翻弄される女性の物語。インターネットもない時代、手紙だけでつなぐには離れすぎた思いが胸にしみいる。クライマックスの決断が降りてくるシーンが鮮やかであり、ラストで反復されるシークエンスも味わい深い。

だれかの木琴


美容師・海斗に髪を切ってもらった主婦・小夜子。やがて小夜子の行動はエスカレートし、海斗の家の前に現れる。
行動原理のわからない人がいるという恐れがまず来るが、見ているうちにふと自分も他人から見ればそう見えるのではという恐れが生まれる。小夜子の行動は、人との距離感がマジョリティからずれているからではないかと思え、最終的にはそのずれを哀しくもいとおしく感じる。

この世界の片隅に


広島市に生まれた少女・すずは呉へ嫁に行くが、太平洋戦争がはじまりその日常は少しずつ変わっていく。
戦前の広島の街の華やかさがまぶしい。最初はのほほんとしているだけにも見えたすずの芯に潜む強さに引き込まれる。


邦画では上に挙げた以外にも、実家感あふれる舞台にしんみりする『海よりもまだ深く』、言葉への情念に惹きつけられる『舟を編む』(2013年公開)、緊迫感を持ちつつどこかコミカルな会議シーンが印象的な『シン・ゴジラ』、新海誠がついにあの終わり方に到達した『君の名は。』、人の関わりの難しさと因縁の妙を感じる『映画 聲の形』などがよかった。
午前十時の映画祭で観た作品では、余命宣告された男の狂騒と覚醒を描いた『生きる』、青春の暗黒時代を切り拓く『いまを生きる』が印象的だった。
洋画では、期待を超えるSFアクション『ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー』、続きが気になるファンタジーファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』などがある。

マンガ

あとかたの街

あとかたの街(1) (KCデラックス)

あとかたの街(1) (KCデラックス)

太平洋戦争下、主人公・あいの住む名古屋にも空襲の火の手が迫る。(全5巻)
私自身名古屋出身というのもあって手に取った作品。主人公の暮らしぶりが徐々に困窮していく様、そして名古屋大空襲に胸を痛める。

ラストゲーム

ラストゲーム 11 (花とゆめCOMICS)

ラストゲーム 11 (花とゆめCOMICS)

クラスの王様だった小学生・柳の前に現れトップの座を奪っていった少女・九条。柳の10年越しのライバル心はいつしか恋心に変わり、そして……(全11巻)
王道ロマンス完結。もともとは1巻収録分の読み切りだったというのもあって、話の流れはそれを再度なぞるものだが、その過程で魅力的なサブキャラたちが登場したのが嬉しい。柳の妄想・暴走っぷりのおかしさと、決めるときに決めてくれるカッコよさが際立つ物語だった。末永くお幸せに!

ぎなた式

ぎなた式 (ジャンプコミックス)

ぎなた式 (ジャンプコミックス)

スポーツ万能だが何事にものめりこめない高校生・月嵩の前に転校してきた女子・國田。なぎなたを抱えた彼女の目的は目立たないクラスメイト・西條だという。(1巻完結)
「楽しみながら成長する者」と「苦しみながら成長する者」のダブル主人公というスポ根ものの王道。二人の真逆のセリフが被る1話ラストに引き込まれた。(1話試し読み)

今日の婚のダイヤ

今日の婚のダイヤ (花とゆめCOMICS)

今日の婚のダイヤ (花とゆめCOMICS)

女子力を磨き上げ恋の駆け引きには慣れたもののOL・豊川だが、30歳を迎えた彼女の前に残った男はさえない公務員……!? (1巻完結)
前作『今日の恋のダイヤ』では典型的な少女マンガの負け役だった豊川さんの復活戦。話の転換を運に頼りすぎている観はあるが、想定外の状況への戸惑いと照れの描写に目が離せない。「前作」といったが話自体は独立しているので、これだけ読んでも楽しめる。

小説・ライトノベル

さよなら妖精

さよなら妖精 (創元推理文庫)

さよなら妖精 (創元推理文庫)

1991年、地方都市に住む高校生・守屋の前にユーゴスラヴィアから来た少女・マーヤが現れる。
氷菓』(古典部シリーズ)の作者による青春ミステリ。もともと古典部シリーズの一部として構想されたというだけあって、謎解きのパターンはそれによく似ている。異世界へのあこがれとその終焉に打ちのめされ、読んだあとはただ呆然とする。

近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係

高校生・健一の家で親戚の少女・里奈を預かることになった。それを知った健一の幼馴染・由梨子との距離感も徐々に変化していく。
これまたベタな設定と思うが、ベタな設定は面白いからこそ多用されベタになるものである。少しずつ変化する関係性に対して主人公の感じるもやもや感が見もの。

下読み男子と投稿女子

アルバイトでライトノベル賞応募作の下読みをする男子高校生・青は、ふとしたことから同じクラスの女子・氷雪の秘密を知ってしまう。
読み終えてまず出てくる言葉が「巧い」。作中で語られる創作論と物語の流れとのリンクにページをめくる手が止まらない。王道の展開を王道のまま書ききる確かな筆力に舌を巻くばかり。

この恋と、その未来。

東京の家を飛び出し広島の全寮制高校に入学した四郎。そのルームメイト・未来は性同一性障害だった。
苦く、ままならない青春を描いたシリーズもついに完結。一時は出版自体危ぶまれていた最終巻を出してくれたファミ通文庫には感謝しかない。登場人物それぞれの未来に幸多からんことを。

アニメ

響け! ユーフォニアム2

高校吹奏楽部を舞台にした青春物語。登場人物それぞれの気持ちが解きほぐされつながっていく様に目が潤んでしまう。


声に引き込まれた『昭和元禄落語心中』、安心して楽しめる『チア男子!!』もよかった。

来年の標語

Seize the day. (いまを生きる)

去年今年に食べた駅弁

本記事ははてなスタッフアドベントカレンダー2016の12日目の記事である。テーマは「好きなもの」、筆者はid:nanto_vi


私は鉄道旅行が好きなのだが、その楽しみのひとつに駅弁がある。そこで、2年以内に食べた駅弁を並べてみた。(食べた順)

ふくめし (小倉駅)

容器がかわいい。シロサバフグの一夜干しに三種のから揚げにと食べ出がある。

ふみばこ弁当 (金沢駅)

金沢の老舗料亭・大友楼によるお弁当。「ふみばこ弁当(大)」と「ふみばこ弁当(小)」があるがこちらは大のほう。味も見た目も華やか。甘めのあんの治部煮にわさびを利かせて食べるのがおいしい。要予約。

鱈めし (直江津駅)

私の一番好きな駅弁。棒ダラ甘露煮、炙りタラコ、タラの酢の物ととにかくタラ尽くしで、食べていると思わず笑みがこぼれてしまう。

春よ恋 (直江津駅)

鱈めしと同じホテルハイマートによる、季節限定のお弁当。全体的にほろ苦さの漂う大人の味。これをもって花見に出かけたらさぞや楽しからん。要予約。

おしながき
一、福らげ揚げ寿し
   蕗のとう味噌味 割大根梅漬
一、桜めし
一、野焼
   もち粉 こご芽 味噌だれ
一、さいなが烏賊酒粕焼き
一、煮物
   ぜんまい 山筍 車麩 桜花大根 人参

平泉うにごはん (一ノ関駅)

蒸しウニのほのかな甘みに箸が進む。茎ワカメの食感が箸休めにもってこい。

ふくのしま豚の醍醐味 (郡山駅)

豚を様々に味わえ、肉好きにはたまらない。

にしんかずのこさけいくら (長岡駅)

会津若松駅から新津駅まで列車に揺られている間、ボックス席の向かいに学生と思しきカップルが座っていた。漏れ聞こえる会話からするに私と同じく京都からきている様子。終点も近づいたころに思い切って話しかけてみたところ、果たしてその通りで青春18きっぷを使った旅行中だという。

新津駅で列車を乗り換えるのだが、来た列車は特急車両を使ったもので通路の左右に二人掛けリクライニングシートが並ぶ。私は運よく空いた二人掛けの片方に陣取ったのだが、先ほどのカップルが後から乗り込んできたときにはすでに二人並んでの空きがなく、カップルはそれぞれ別の席に座った。

前の列車での話からするに、カップルは私より長くこの列車に乗り続けるはず。発車時刻になっても私の隣席に人が来ないので、二人掛けをカップルに譲り、私はカップルの片方がいったん座った(すでに隣に人のいる)席に移った。

その後私は一足先に長岡駅で下車したのだが、列車を降りて振り返るとカップルの男性のほうが車内から手を振って見送ってくれていた。こんな自分でも人の旅の思い出に少しばかり貢献できたのかもしれないと嬉しく思う出来事だった。

シウマイ弁当 (東京駅)

横浜・崎陽軒のものだが東京駅構内で購入。シウマイだけではなく各おかずの取り合わせが抜群で、毎日食べても飽きないお弁当としての完成度が高い。

いかすみ弁当黒めし (鳥取駅)

磯の香り漂うイカ墨入りご飯にイカの食感がよく合う。イカ団子もおいしい。

本居宣長辨當 (松阪駅)

松阪駅といえばすき焼き風の駅弁が有名だが、今回は軽くおなかに入れたいというのもあってこちらを選択。甘辛いしぐれ煮・そぼろ煮は安心の味。

金沢三昧 (金沢駅)

カニ能登牛、ノドグロが入っている。お弁当にする以上ノドグロは酢締めになってしまうのだが、個人的には生か焼きでいただきたいところ。

磯の漁火 (上越妙高駅)

鱈めしと同じホテルハイマート調製。北陸新幹線の金沢延伸に伴い上越妙高駅でも取り扱うようになった。酒のあてにもってこいのおかずが並ぶ。

とろサーモン炙り寿司 (盛岡駅)

しっかり食べごたえのあるサーモンで海鮮親子を楽しめる。

山海いろごはん (下りスーパー北斗)

札幌行きスーパー北斗での車内販売限定のお弁当。丸々ホタテがボリューミー。

活ホタテ・ホッキ バター焼き弁当 (札幌駅)

コリコリしたホッキ貝の食感が癖になる。ホッキ貝を使った駅弁といえば母恋駅の母恋めしも外せない。

四季の花詩 (金沢駅)

金沢駅・金沢百番街の大友楼の店舗で購入。厳密には駅弁でないかも。ふみばこ弁当と同じく、ひとつひとつのおかずに丁寧なおいしさが詰まっている。

うにめし (小倉駅)

ウニ入り炊き込みご飯に数の子ウニが食欲を増進させる。

大名道中駕籠かしわ (小倉駅)

福岡の駅弁といって最初に名の挙がるかしわめし、口に入れた瞬間広がる鶏のうまみに箸が止まらない。おかずも色とりどりでまさに大名気分。

今年一年の楽しみを振り返る 2015

今年も良い作品にあふれていた。年の終盤にちょっと忙しくてあまり映画を観に行けなかったのは残念。

映画

花とアリス殺人事件


親の都合で引っ越してきた中学生・有栖川徹子(アリス)は隣家の窓からの視線に気づく。『花とアリス』(2004年)の主人公二人の出会いを描く前日譚。
観ているうちに「ああ、アリスの母親ってこういう人だったわ」「花ってこういう子だったわ」と前作の情景が懐かしく思い出された。岩井俊二の叙情的な演出によって、中学生の日常に潜むささやかな非日常が鮮やかに描き出される。10年前の映画の前日譚を同一キャストで演じるという難題にアニメーションという回答を出してきたのも見事というしかない。

パレードへようこそ


1980年代、イギリス炭鉱ストのさなか、炭鉱労働組合を応援しようと立ち上がったのは同性愛者団体だった。
立場の異なる者同士が互いを認識し、理解し、尊重する。一人の思い付きから始まった行動が大きなうねりとなっていく姿に涙が止まらない。差別と偏見を乗り越え我々は進歩していくのだと強く心に刻み付けられる。
LGBTを扱った作品は、白でも黒でもない灰色を認識し尊重するという『彼は秘密の女ともだち』もよかった。

心が叫びたがってるんだ。


幼少時のトラウマで人としゃべれなくなった女子高生・成瀬順、彼女とクラスメートらが地域交流会の実行委員に任命されたことから始まる青春群像劇。
岡田麿里脚本らしいヘビーな滑り出しにのめりこみ、それぞれの気持ちを言葉にしてぶつける描写に惹きつけられた。繊細な表情の変化や、「青春は走ってなんぼ」とばかりに自転車で走り出す場面も素晴らしい。

マイ・インターン


ファッション系ネットベンチャーの社長・ジュールズのもとにやってきたインターン生・ベンは何と70歳。二人の織り成すコミカルなハートウォーミングストーリー。
個人的にネット系企業のインターンシップに参加したこともあれば受け入れる側になったこともあるので、共感する場面も多く楽しんで観られた。ネットベンチャーというラフな職場でスーツをびしっと着込みビンテージ鞄を抱え、人生の先輩としてふるまうベン (ロバート・デ・ニーロ) の姿がとにかくかっこいい。
老人のかっこいい映画という点では、ナチスに略奪された伯母の肖像画の返還を求めて老女が立ち上がる『黄金のアデーレ 名画の帰還』もあった。

サニー 永遠の仲間たち


主婦イム・ナミは、癌にかかって余命わずかの高校の友人ハ・チュナと再会し、高校時代のグループメンバーに再度会いたいと頼まれる。
2011年の映画だが今年初めて鑑賞。現在と過去とのスムーズな場面の切り替わりにどんどん惹きつけられていく。時にお互い衝突しながらも未来を信じていた高校時代と、決して幸せばかりといえない現在の対比に胸が締め付けられ、積み重なった感情がラストのダンスシーンで弾けだすようだった。


ほかにも、アップテンポで狂気を描く『セッション』、二宮和也のしゃべりと黒木華の存在感が際立つ『母と暮らせば』、おしゃれ + キュートなスパイアクション『コードネームU.N.C.L.E.』などが印象に残っている。
くちびるに歌を』(合唱部)、『幕が上がる』(演劇部)、『ガールズ・ステップ』(ダンス部)といった青春部活物の邦画も豊作な年だった。

アニメ

SHIROBAKO

アニメ制作会社に勤める宮森あおいと、彼女の高校時代のアニメ同好会のメンバーらを描く群像劇。
昨年から引き続いての放映。後半では声優志望・しずかの状況に一喜一憂しながらの視聴となった。夢が結実しさらにその先はと考える展開に、つい自分の仕事と照らし合わせてしまう(ちなみに私はアニメ制作会社でいうならアニメーター的な役割)。

響け! ユーフォニアム

高校に入学し吹奏楽部に入った久美子、そこには中学時代に気まずい発言をしてしまった相手・麗奈もいた。
京都・宇治の高校を舞台に繰り広げられる青春部活物。最初は何となくで吹奏楽を続けただけの久美子が、新顧問・滝のもとで音楽への情熱に目覚めていく姿がまぶしい。「好き」と「特別になりたい」の競合など、各部員それぞれのドラマも魅力的で毎週の放映を心待ちにしていた。

マンガ

ラストゲーム

ラストゲーム 8 (花とゆめCOMICS)

ラストゲーム 8 (花とゆめCOMICS)

すべてに恵まれた少年・柳が初めて出会った勝てない相手・九条、10年を経てライバル心は恋心へと変わる王道恋愛ストーリー。
7、8、9巻と1年に3冊も出て物語が大きく動く。相馬の奮闘っぷりはたたえてもたたえきれないほどであり、それに対して九条もよくぞ応えてくれたというところ。まさに「片思いものなら天乃忍」である。8巻カバー画像で、これまでカバー画像ではすまし顔だった九条がついに微笑みを見せた(それも柳とハートマークを作って!)のも見どころのひとつ。

福島鉄平短編集「スイミング」「アマリリス

クラスが同じ、スイミングスクールも同じという接点しかないオサムくんとマドカさんだが、中三となりマドカさんはスイミングスクールをやめてしまう。(『月・水・金はスイミング』)
サムライうさぎ』の福島鉄平が贈る短編集。いってしまえばなんてことのない一通りの会話に過ぎないけれど、そこに至るまでの心の揺れ動きが丁寧に描かれているので、読んでいるこちらの心も大きく掻き立てられる。思春期の小さな、しかし確かな成長を何度も読み返したくなる。

ライトノベル

この恋と、その未来。

東京を離れ広島の全寮制高校に入学した四郎、彼のルームメイト・未来は性同一性障害(身体的には女性、性の自己意識は男性)だった。
森橋ビンゴのシリーズがついに4巻突破! 濃密な青春に読む側はただただ悶えるばかり。4巻終盤ではついに爆弾が炸裂し、今後どうなるのか目が離せない。

来年の標語

禍福は糾える縄の如し