今年一年の楽しみを振り返る

「青春コンプレックスでは」といわれたが、そのような言葉にとらわれることなく作品を楽しみたい。

アニメ

今年、特に今年後半はなかなかTVアニメを見られなかった。これを書いている時点で秋アニメは録画しているものの11月に入ったくらいの分までしか見ていない。

人付き合いが苦手で思いを口に出せない主人公、その姿がわずかずつでも変わっていく様にこちらまで一喜一憂させられる。一つのことに向ける熱さと、そのために筋道を考え組み立てていく姿勢がうらやましい。

WORKING!! 1 【完全生産限定版】 [DVD]

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どの登場人物も個性豊かなコメディだけど、特に伊波さんの変わろうとする様が楽しかった。

四畳半神話大系 第1巻 [Blu-ray]

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主人公が京都をさまよう話。私自身が京都に住んでいるので楽屋落ちを楽しんでる気分にもなったが、最後、主人公の決意でそれまでの話がつながる構成と、物語を締める独白にやられた。京都は素晴しい。

劇場版アニメも面白いものが多かった。『涼宮ハルヒの消失』は本編もよければ、OPで繰り広げられるSOS団日常の一コマもほほえましかった。日常へは戻らねばならないし、戻った先があの日常というのは贅沢なことだ。『マルドゥック・スクランブル』はヒロインの脆弱さが圧縮されきったところで第一部が終わってしまったので来年が待ち遠しい。

true tears』と『灰羽連盟』のBlu-ray Boxを買ったはいいが、家にBlu-rayの再生環境がない。来年は地デジも見られる大型テレビとBlu-rayレコーダーをそろえたい。

ライトノベル

香辛料の香りも残ってはいるが、それを凌駕する圧倒的な甘さ。もうずっと二人でよろしくやってください。甘いものは別腹なのでいくらでもいけます。

わたしたちの田村くん』では中学から高校、『とらドラ!』では高校生活を描いた竹宮ゆゆこが今度は大学生を主人公にすえるとなれば、ラノベ読者層の高齢化を思わせる。ヒロインの未熟さも主人公のうかつさも身に覚えがあるものだから読みいってしまった。表紙のインパクトも抜群で次巻に期待。

GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫)

GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫)

来年のアニメ化に備え現在IV巻 + sまで読んだのだが、特にI巻、恋する男の子のかわいさが余すところなく発揮されていて素晴しい。この先も二人が共にあってほしいと切に願う。彼らが大丈夫と言おうとも私が大丈夫じゃないから。

中高生を主人公にすえたライトノベルで、世間での評判がいいのに自分にはいまいちということがいくつかあって、そろそろ自分もラノベの対象読者層から外れてきたかなと思うのだけれど、青春、そしてボーイミーツガールを求める身にはラノベを離れてどこへ着地したものか見当がつかない。

マンガ

雑誌を読まなくなった。ジャケ買いはほとんどしないので、自分で読んで面白いものを見つけることはもうなく、これから人が面白いといったものを読むことが増えると思う。

高杉さん家のおべんとう 1

高杉さん家のおべんとう 1

連載開始時はまだ雑誌を読んでいたので、自分でこれは面白いと思ったマンガの最後かもしれない。主人公が31歳文系ポスドクという時点で先の見えなさに引きつけられ、ヒロインのかわいさにノックアウト。よく読めば名古屋ネタてんこ盛りなのも嬉しい。作者はLaLa DX出身ということで、花とゆめコミックスに慣れ親しんだ私には絵柄にも安心感を覚える。ところで個人的には1巻終盤からあまり歓迎しない要素が入ってきて、楽しいんだけど下心を見透かされるようで少々気が滅入る。

放浪息子 (1) (BEAM COMIX)

放浪息子 (1) (BEAM COMIX)

羨望。二鳥くんには自分の人生を肯定する生き方を送ってもらいたい。

青春攻略本 第1巻 (花とゆめCOMICS)

青春攻略本 第1巻 (花とゆめCOMICS)

「青春」のきれいな要素だけを選りすぐって仕立てられた傑作。男の子が本気で、全力で馬鹿をやる姿に憧れを抱く。素晴しきかな青春。全2巻とすっきりまとまっているのもいい。1巻掲載の読み切り短編も味わい深く、作者の初単行本の帯に「こんな新人、いない!!」という煽りがつけられていたのも納得できる。1話冒頭試し読み可

夏の初めに引っ越していった方からマンガ類430冊を譲り受けたのだがまだ読みきれていない。元からの積読もあるのでやはり新しい作品に触れる機会は少なくなりそうだ。

去年の今頃は「来年は鈴木ジュリエッタが来る」と叫んでいたのだが、今年一年で名前を見ることが増えてきたので、来年こそ広くブレークすると思う。

今年のマンガの話題といえば『っポイ!』の完結もはずせない。ちょうど私が主人公と同学年、中学3年のときに読み出し、初めて自分で買った少女マンガとなったので完結したことは非常に嬉しい。平ちゃん万ちゃん、20年間の中3生活お疲れ様でした。

映画

さまざまな活動をおざなりにして何をしていたかといえば映画に費やす時間が多かった。「午前十時の映画祭」という良企画があり、週替わりで名作洋画を流しているので通いつめている。スクリーンで見る『ローマの休日』はヘップバーンの振る舞いが隅々まで美しく素晴しかった。来年第2弾で新たな50作を上映するとのことなのでそれにも足を運ぶつもりだ。

瞳の奥の秘密 [DVD]

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かつて裁判所で働いていた男が25年前の事件を振り返り、再び探っていくサスペンス。字幕では「情熱」がキーワードになっていたが、情熱より執念というべき怖ろしさがある。

ぼくのエリ 200歳の少女 [DVD]

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北欧を舞台にしたゴシックホラー。厳冬の街並みと登場人物の孤独が重なり合って引き込まれる。一箇所ボカシを入れられたシーンがあり気になってググったところ、ボカシの有無で解釈の広がりが変わってくる重要な場面だったようだ。

フォロー・ミー FOLLOW ME [DVD]

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イギリスを舞台に、妻の浮気を疑う夫が探偵に調査を依頼するのだが、中盤での登場人物の立場の転換が見事で驚きと笑いを禁じえない。中流階級の夫にヒッピー娘の妻という身分の違いが話を盛り上げ、見ていてロンドンの街を歩きたくなってくる。今年初見の映画の中で最高のラブストーリーだった。

よかった映画を振り返るとラブロマンスの割合が多いけれど、それ以外では『インセプション』のスリルとSF設定、『ショウほど素敵な商売はない』のエンターテイナーの矜持も素晴しかった。映画館のポイントも貯まっているので来年も積極的に観ていきたい。