中国を北に南に

9月の頭に青春18きっぷで中国地方を周ってきました。山陰と山陽を結ぶ交通網を「陰陽連絡路線」というそうで、今回は特に広島島根の鉄道網が中心です。

前夜、1日目

中国地方を目指すべくまず乗ったのは京都駅0:03発の急行きたぐに。車中で夜を越し直江津(新潟県)で降りたら信越本線を南に下ります。途中、北陸新幹線の建設工事がだいぶ進んでいるようでした。
しなの鉄道で小諸まで、そこから小海線に乗車。小諸駅で検印を入れてもらったらしなの鉄道の印でした。18きっぷではしなの鉄道に乗れないんですけどね。小海線はハイブリットカーで、座席カバーにはイメージキャラクター「ぶりっとちゃん」があしらわれていました。乗り合わせた学生グループが面白がってその場で検索していたのを漏れ聞くに、pixivでも人気のキャラだそうです。
中央本線で八王子まで出てきたら八高線を経て青梅線は終点奥多摩まで。初めて青梅線に乗ったのですが、山間の単線で都内とは思えないほどのローカルっぷり、それでいて30分に1本は電車が来るというとても面白い路線でした。青梅線中央本線で都心に出たら六本木で辛味と旨味満点の麻婆豆腐を紹介してもらい、夜も更けてきたところで東京駅へ。

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いよいよ中国へ足を踏み入れるべく待つは寝台特急サンライズ出雲。日本で乗るのは初めての個室寝台、東京駅発車直後、新幹線が追い抜かしていくのを見て贅沢な時間の使い方をかみ締めます。 この個室のいいところは何といっても大きな窓、室内の電灯をすべて消せば列車から漏れる明かりに照らされた夜景の幻想的なこと。眺めているうちにうとうととして気づけば深夜の浜松駅、列車備え付けのシャワーを浴びて再び眠りにつきました。

2日目

寝ている間に山陽本線を抜け伯備線へ、そして終点出雲市駅に到着。寝台特急の名残を惜しみつつ山陰本線を戻って宍道駅木次線から陰陽連絡ローカル線めぐりを始めます。2両編成が来たのでおかしいなと思ったら案の定後ろの車両は途中で切り離して折り返し列車に。 のんびり進む車窓からの眺めは素晴しく、観光用にトロッコ列車も走っているので人と連れ立って来たいものです。
備後落合に着いたら芸備線で三好、福塩線で福山まで。府中あたりで日が暮れてきて、人もまばらな夜の山陽本線を広島で降り、そこで一夜を過ごしました。

3日目

山陰へ向かう前に可部線を往復。久々に朝の通勤通学ラッシュに巻き込まれました。広島ですらあの混みようなので東京の平日朝など考えるだけで恐ろしいです。芸備線で昨日に続き三次に降り立ったら次に乗るは三江線江の川沿いを江津までゆっくり走ります。最初「えのかわ」「えづ」かと思っていたら正しくは「ごうのかわ」「ごうつ」、地名駅名はなかなか一発では読めません。 途中、石見川本駅で長時間停車があったので駅前を歩いていたら島根県食品衛生協会のポスターを発見。よくわからない方向に力が入っています。
昼下がりに江津に着いて山陰本線を益田まで来たときには日も沈みかけ、山口線はすっかり夜の中。この日は新山口で夜を明かしました。

4日目

新山口から広島まで出るのに櫛ヶ浜から岩国まで岩徳線を利用。距離はこちらのほうが短いはずですが速度が遅いので結局時間は山陽本線経由と変わりません。広島駅でおすすめの駅弁を尋ねたら「やっぱりアナゴでしょう」とのことであなごめしを購入。芸備線を通して乗るべくこの旅三度目の三好、そして備後落合へ。備後落合から先は休日のせいか1両しかないせいか1日3往復しかないせいか、ローカル線とは思えない混み具合で途中から立ちっぱなし。といっても草ぼうぼうの線路を眺められたのでかえってローカル気分を味わえました。
新見駅からは伯備線吉備線経由で岡山駅。岡山まで来るともうすっかり帰路の面持ちで、山陽本線東海道本線をまっすぐ京都まで帰ろうかと思ったのですが、ちょうどタイミングがよかったので神戸から地下鉄で和田岬駅へ行き、山陽本線和田岬支線にも乗ってきました。この支線は兵庫から和田岬までの一駅だけなのですが、土日は本数が少なくなかなか乗る機会がなかったのです。

陰陽連絡路線

今回完乗した木次線三江線芸備線福塩線、距離だけ見れば合計約430kmと東京から米原まで行かないくらいなんですが、本数が少ないのと速度が出ないのですべて乗るのに3日間を要しました。時速35kmだの25kmだのの区間がざらにあり、場所によって15kmで走ったりするわけです。その分景色を眺めるにはもってこいで、いつ廃線になってもおかしくないという事情もあり乗れてよかった路線でした。
今回の写真(1009山陰山陽)