青春18きっぷでバスに乗る

4月10日は春の青春18きっぷシーズン最終日。どこをめぐろうかいろいろ考えたのですが、今を逃したら乗れないものをということでバスに乗ることにしました。

午前7時半、京都は二条駅を出発。駅前の桜は満開を通り越し、葉っぱもちらほらのぞいています。

山陰本線東海道本線草津線関西本線紀勢本線と3時間かけて三重県松阪駅に到着。ここで1時間乗り継ぎ待ちをしたら、いよいよ今回の目的である名松線の列車に乗り込みます。

名松線はもともと名張と松阪を結ぶ予定だったそうですが、途中の伊勢奥津駅まで来たところで工事はストップ。さらに去年の台風で家城駅伊勢奥津駅の間が不通となり、現在は両駅間を代行バスが走っています。JR東海はこの区間廃線にすると言っており、今後どうなるかわからない状況です。

2時間に1本程度の路線なので1両編成だろうと思い込んでいたら、来た列車は2両編成。地元らしき人も驚いていたので珍しいことなのでしょう。おかげで4人がけボックスシートを悠々と使えました。

来た線路を逆戻りと思ったらすぐに分岐し、30分ちょっとで列車の終着である家城駅に到着。桜が満開の駅前で、代行バスはなんと4台も待ち構えていました。定員を考えれば列車1両にバス2台というのは妥当ですが、実際は列車も空席のほうが多かったわけで、一度に4台も走らせる必要があるのかとつい思ってしまいます。まあそう思えてしまう状況だからこそJRも廃線の方針を打ち出したのでしょうが。

バス車両は三重交通のものですが料金表には「JR代行バス」の表示。バスから線路を眺めていると、踏切には立ち入り禁止のロープが張られ、鉄道橋の前後には金属製の柵が設置が設置されています。線路上を覆った土砂がそのままになっているところもありました。

30分で名松線本来の終着駅である伊勢奥津駅へ。降りるときに車掌さんによる改札があります。代行バスはJRの運賃が適用されるので青春18きっぷでも利用可能。乗客の半数くらいはカメラを持って青春18きっぷと、いかにも同好の士の雰囲気でした。

こちらの駅前も桜が満開。それを眺めながらのお昼は旅の楽しみである駅弁、今回は松阪駅で買った元祖牛肉弁当です。近年の定義の変更で松阪牛とは名乗れなくなった肉を使っているそうですが、箸で千切れる柔らかさに甘辛のタレが合って大満足の食べ応えです。

折り返し――といっても間に1時間近くあるのですが――のバスに乗って家城駅、そして松阪駅まで戻ってきたら、今度は快速みえで参宮線の終着、鳥羽駅まで直行しました。参宮線伊勢市駅以南に乗ったことがなかったので、この機会にと最後まで行ってみたのですが、何というか、この辺りは近鉄の勢いが強いのか、どうもJRが寂れて見えます。鳥羽駅近鉄側の土産物店はにぎわっているのに、JR側は人影がまばらで、JR東海の在来線は大丈夫なのかと心配してしまいます。

そこから来た線路を引き返して京都に戻ったのは午後7時半過ぎ。まだ乗っていないローカル線がたくさんある身に不安を感じさせることもありましたが、沿線はどこも桜がきれいでいい旅でした。日本は本当、人いるところに桜ありですね。

今回の写真 (1004三重)