佐賀・長崎を周遊きっぷで巡る

2 月に周遊きっぷ (長崎・佐賀ゾーン) を使って九州へ行ってきました。切符を手配した後に周遊きっぷ廃止の報を聞き、これが最後の周遊きっぷという思いを胸にしての旅となりました。

1 日目

初日は山陰本線で京都から下関まで。長大な上に列車本数もまばらなので、早朝に出発し特急も使ったのに九州手前で日が暮れます。

写真は米子駅の赤貝めしと益田駅のさざえ弁当。赤貝は味がしみているしサザエも歯ざわりがよく、曇天を吹き飛ばしてくれるかのようでした。

2 日目

関門トンネルを通り鹿児島本線博多駅を目指す途中、折尾駅でかしわめしを購入。そぼろごはんを一口含んだ瞬間広がる鶏の旨みに、思わず「とりだー」と声を挙げそうになりました。

博多南線にも乗ったのですが、博多南駅前をぶらついてるうちに列車を一本逃してしまい、1 時間待ちとなってしまいました。それでも何とか筑肥線唐津線を完乗、長崎本線佐世保線と乗り継ぎ、21 時前に佐世保へ到着です。

3 日目

午前中は松浦鉄道をぐるり一周して有田まで。日本最西端の駅 (モノレールを除く) であるたびら平戸口駅にも降り立ちました。駅からちょっと歩いたところに巨大カブトムシが自動車を襲うという謎のオブジェが。平戸瀬戸市場で買った地酒ゼリーはお酒の甘みに柚子が利いていて、飲兵衛でなくともいくらでもいけそうです。

佐世保駅の窓口が開いていなかったので、松浦鉄道一日乗車券は車内で購入しました。スクラッチ式の乗車券は初めて見たのですが、印字の手間がいらないので事業者側にとっても便利なのでしょうね。

有田駅で有田焼カレーを食べようとしたら駅前のお店がお休み。駅弁としても売っていたのですが、できたてが食べたいと電話で伺ったところ、歩いて 20 分ほどの本店がやっているとのことで、そちらへ直行。熱々のカレーにトロトロのチーズ、サラダ・デザートもついてボリューム満点でした。

有田駅に戻り JR の特急を待っていたところで衝撃の事実が発覚。なんと JR の切符を宿に忘れていたのです。連泊するからと一部荷物を宿に置きっぱなしだったのが仇となりました。これには背筋が凍りましたが、幸い有田と佐世保普通列車でも 30 分の距離。宿に戻って切符を無事確保です。

とはいえ、時間を大幅にロスしたのは確かです。大村線長崎本線長与経由で長崎に向かい、本当なら稲佐山に登ろうかと思っていたのですが、乗りつぶしを優先させるべく長崎駅ですぐに折り返し。かもめとみどりを乗り継いで佐世保へ戻りました。

4 日目

この日は地元の友人の案内で佐世保観光。前日までの曇天が嘘のような快晴でした。まず向かったのは眼鏡岩、穴の開いた巨岩が自然にできたものだというから恐れ入ります。弘法大師も訪れたことがあるそうで、光の差し込むさまは神秘的としか言いようがありません。

佐世保といえばやっぱりこれでしょう、というわけでお昼は佐世保バーガー。かぶりつけばパティの肉汁とベーコンの旨みが口の中に流れ込みます。

海沿いに出たら遊覧船に乗って九十九島クルーズ。雲ひとつない空を映してか海も青く透き通り、これを見られただけで盆地からはるばる出てきた甲斐があったと噛み締めます。
そのあと登った弓張岳展望台からの眺めも絶景でした。

市街に下りてきたらこれまた佐世保名物の入港ぜんざいで一服。マシュマロは水兵さんの帽子をかたどっているそうです。たいやき入りで後につかえないかちょっと心配だったのですが、すっきりした甘さであっという間にお腹に収まってしまいました。

夜は地元の魚介のおいしいお店へ。写真のイカの活き造りやアジの唐揚げもよかったですが、圧巻はカワハギの活き造り、肝を溶いたお醤油でいただけば甘みと噛み応えが一体となって口福というものを実感します。

5 日目


最終日は長崎へ。トルコライスを味わった後にメガネ橋を見物。ちょうど長崎ランタンフェスティバルの最中で、あちこちが提灯で飾られ巨大ランタンオブジェが設置されていました。

ランタンは夜に見てこそなのでしょうが時間の都合でそうも言っておれず、出島を見学したら黒いかもめで新鳥栖駅、さくらで新大阪駅、そして京都へと帰還しました。行きは九州へ入るだけで丸一日かかったのが帰りは 3 時間、つくづく思うに新幹線とは速いものです。

番外: お土産

長崎といえば福砂屋福砂屋といえば五三焼というわけで五三焼カステラをお土産に買って帰りました。卵多めのしっとりとした生地にザラメ糖の食感が混じり、カステラの概念を覆してくれる逸品です。