今年一年の楽しみを振り返る 2011

映画に費やす時間が増え、他メディアにはあまり触れていない。

アニメ

7月に地上デジタル放送への完全移行がありテレビ大阪が見られなくなると悲観していたが、『夏目友人帳 参』はじめ多くの作品がWeb配信で見られたこともありそこまで困らなかった。視聴時間の減少もあり、原作付きアニメは(特に原作既読なら)積極的に見なくてもよいかなという気分になっている。

輪るピングドラム
どう転がるのかまったく予想のつかない展開に引き込まれた。ベタな恋愛ものが好みなのもあってだんだん苹果ちゃんと晶馬に肩入れするようになり、最後に列車の連結器が切り離される場面では思わずため息が漏れてしまった。
魔法少女まどかマギカ
最初は周りが話題にしているのでという感じだったが3話から一気に引き込まれた。大体3話までで最後まで見るか決めるので、シリーズ構成の妙にやられた感じである。
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。
作品に触れるタイミングというものを意識させられた。『絶対少年』という引きこもりの少年少女を主人公にすえたアニメがあり、私はこれを自分自身半ば引きこもっているときに見て多大な影響を受けた。あの花もその時期に見ていれば自分の中でそういう位置づけに立っていたかもしれない。
放浪息子
懸命に考えて行動しているはずなのに周りとすれ違っていく千葉さんの姿が中学時代の自分と重なり、それだけに最後の千葉さんの言葉と表情が喜ばしく感じられた。
GOSICKダンタリアンの書架
両作品とも近代ヨーロッパの雰囲気がよかった。

ライトノベル

東雲侑子は短編小説をあいしている (ファミ通文庫)

東雲侑子は短編小説をあいしている (ファミ通文庫)

東雲侑子は恋愛小説をあいしはじめる (ファミ通文庫)

東雲侑子は恋愛小説をあいしはじめる (ファミ通文庫)

「兄の恋人に横恋慕していたブラコンの弟」という私の好みドンピシャの設定*1のみならず、主人公のこれまで溜め込んできたわだかまりが自然と解け、新たな心情が芽生えていく様が丁寧に描かれている。続編(恋愛小説を〜)も登場人物の不安が手に取るように伝わってきて読み始めたら止まらなかった。
狼と香辛料』『GOSICK』が嬉しい最後を迎えてくれた。『涼宮ハルヒの驚愕』は出たことにも内容にも驚愕した。新作は東雲侑子〜以外に2、3作読んだくらい。当面は新作よりも積読解消に力を入れたい。

マンガ

特に新人、新作に触れていない。以前から継続して読んでいる『魔法使いの娘ニ非ズ』『高杉さん家のおべんとう』は相変わらず面白い。映画を見た後に読んだ『コクリコ坂から』は懐かしい香りのするよい少女漫画だった。

映画

キック・アス Blu-ray(特典DVD付2枚組)

キック・アス Blu-ray(特典DVD付2枚組)

この歳の女の子にこれをよしとさせて育てるのは一種の虐待ではないかという後味の悪さを引きずりながら見るヒット・ガールのアクションは最高だった。小さいときにディズニー・ルネッサンス*2の洗礼を受けた私にとって、その再来を思わせる素晴らしい出来だった。歌に踊りにスクリーン一面の光の群にとディズニーの存在感を存分に発揮した傑作。ラストの×××××ラプンツェルがかわいい。
コクリコ坂から
ベタな恋物語も好きならば「青春は走ってなんぼ」とも思っている私にとって、どストライクの作品だった。
ブルーバレンタイン [Blu-ray]

ブルーバレンタイン [Blu-ray]

両者の気持ちが離れていくのも無理はない。登場人物の言動に、そう取り繕うのではなく自分の弱さを素直に伝えていればと思いはするのだが、所詮岡目八目というものだろう。
宇宙人ポール [DVD]

宇宙人ポール [DVD]

SFに詳しくなくとも十二分に楽しめた。SF、コメディ、ロマンス、アクション、何でもありのまさにエンターテイメントというべき作品。

午前十時の映画祭

往年の名画を週替わりで上映する企画であり、新作と並べるのもいかがなものかと思ったので別枠を設ける。

ここに挙げる他作品と異なり以前にも観ているのだが、それでも名を挙げずにはいられないミュージカル映画の金字塔。聞き覚えのあるメロディーの数々を映画館のスクリーンで堪能できるのは幸せなことだと感じる。この歳になって観ると男爵夫人の「実はいい人」っぷりが面白い。
素晴らしき哉、人生! [DVD]

素晴らしき哉、人生! [DVD]

キリスト教思想の押し付けかと斜に構えて観ていたら、そんな邪念を根こそぎ払う怒涛の展開に圧倒された。「ベルが鳴るたびに天使が翼を得る」と聞くだけで涙が溢れ出す。まさしく人生は素晴らしい。自分も誰かの素晴らしい人生の支えのひとつになれればと思う。
パブリックドメインとなっており、ニコニコ動画でも見られる
シベールの日曜日 HDニューマスター版 [DVD]

シベールの日曜日 HDニューマスター版 [DVD]

少女のかわいらしさが哀しさをより引き立てる。
汚れなき悪戯 HDマスター版(Blu-ray Disc)

汚れなき悪戯 HDマスター版(Blu-ray Disc)

奇跡を目の当たりにした修道士が頭を垂れたところから涙が止まらなかった。私は圧倒的な力による救済にあこがれているのかもしれない。花嫁奪還シーンがあまりにも有名だが、ラストの二人の不安げな表情こそこの映画を印象に残らせる。サウンド・オブ・サイレンスをはじめとする音楽も素晴らしい。

来年の抱負

現在は15インチアナログブラウン管テレビで番組を視聴しており、下手するとWeb配信のほうが画質がよかったりするので、大型のテレビを買いたい。そして何といっても積読解消。

*1:ここはグリーン・ウッド』の影響が大きいと思う。

*2:『リトル・マーメイド』から始まる主に90年代のディズニー長編アニメーション作品群 http://en.wikipedia.org/wiki/Disney_Renaissance