今年一年の楽しみを振り返る 2022

引っ越したり子供が生まれたりと生活環境の大きく変わる年だった。

映画

鹿の王 ユナと約束の旅


親子愛にすっかり涙もろくなってしまった。

ドライブ・マイ・カー


喪失感が静かに身に染みる。

帰らない日曜日


ラブロマンスというよりも、主人公の女性を形作った重要な一日を丹念に描いた作品。

恋は光


原作マンガの透明感を再現しつつ、映画ならではの世界も見せてくれた。倉敷に行きたくなる。

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者


ホラーやパニックは苦手なのだが、ジュラシック・パークシリーズはトラウマになりつつもついつい観てしまう。懐かしい人物も登場し感慨深い。


ほかにも『地球外少年少女』『ゴヤの名画と優しい泥棒』『トップガン マーヴェリック』『劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM』『オートクチュール』などなど。年の後半に公開された映画はまだ観に行けていないので、折を見て観に行きたい。

今年一年の楽しみを振り返る 2021

映画館に行くタイミングが難しい。とはいえ去年よりは行動範囲も広がり、今年もよい年だった。

映画

花束みたいな恋をした

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慣れと生活の余裕のなさから、心の余裕まで失われていくのが哀しい。こうしたことも時間がたてば「いい思い出」になってしまうのかなとしみじみ味わった。

映画大好きポンポさん

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映画愛に満ちている。ひとつのことに向けた狂気ともいえる愛情はよいものだ。

サイダーのように言葉が湧き上がる

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俳句に込める甘酸っぱい青春。作中の俳句は実際に高校生から作品提供してもらったそうで、若々しさに触れられる。

イン・ザ・ハイツ

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ミュージカル作品が好きだ。歌と踊りが本能を揺さぶる感じがする。壁を渡るダンスシーンが面白かった。

アイの歌声を聴かせて

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高校生の人間模様が何組も見れてよかった。照れ恥じらう男の子が一歩踏み出すのは私の好きなパターンのひとつ。

マンガ

ルックバック

楽しかった思い出と悲しい現実、それを乗り越える強い力に読んでいて涙がこぼれる。中盤、思わぬめぐり逢いを果たした主人公が雨の中をスキップするシーンは、映画のワンシーンのように美しく心に残った。

アニメ

白い砂のアクアトープ

P.A.WORKSのお仕事アニメは今回も鉄板。主人公二人のお互いに支えあう構図が何度も入れ替わっていくのが感慨深い。

小説

medium 霊媒探偵城塚翡翠

最終章直前まで読んだ時点で、「ミステリ界隈でこの作品がこんなに話題になっているということは、ここからふたひねりくらいあるはず。ということは犯人は誰々で、それに対してこれこれこうした展開になるのでは」などと考えていたら、見事に想像もしない展開が待っていた。なるほどそう来るのかと脱帽するのみ。

今年一年の楽しみを振り返る 2020

激動ながらよい一年だった。生活環境の変化とコロナ禍の影響で、映画を観に行く頻度が大きく下がった。

映画

ダンス・ウィズ・ウルブズ

19世紀半ば、アメリカ最後のフロンティア。はるか彼方に続く大草原、そこを埋め尽くすバッファローの群れ、ネイティブアメリカンの鮮やかな装束、空を染め上げる朝焼け。心に風景が刻み込まれる作品だった。

パラサイト 半地下の家族

予想のつかない展開に度肝を抜かれ、気がつけば半地下の臭いがすぐそこに感じられる。

ジョジョ・ラビット

少年を取り巻く愛に涙する。

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン

時代の変わり目を生きた人々に思いをはせる。

TENET テネット

もはや考えは及ばず、ただ感じるのみ。

来年に向けて

発展させる。

今年一年の楽しみを振り返る 2019

趣味に費やす時間が減り気味だった。

映画

バジュランギおじさんと、小さな迷子

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インドのおじさんが、口のきけない迷子の少女をパキスタンに送り届ける。
おじさんの愚直さと少女のかわいらしさに笑いが止まらず、そこから織りなされる人間模様に涙が止まらない。

きみと、波にのれたら

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恋人を亡くした女子大生の前に、恋人の幽霊が現れる。
前半、視覚と聴覚の両方から同時並行で二人の生活が流れ込んでくるかのような演出に驚かされた。アニメーション(動きやカメラワーク)の面白さにもあふれている。

天気の子

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東京に家出してきた少年が、不思議な力を持つ少女と出会う。
00年代を思い出させる懐かしい展開。終盤の展開にこれぞセカイ系と膝を打った。

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 —永遠と自動手記人形—

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戦争で腕を失った少女が、身寄りのない少女の家庭教師を務める。
美しい映像とともに静かに綴られる物語に、気づけば目が離せない。

HELLO WORLD

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引っ込み思案な男子高校生の前に、「未来の自分」を名乗る男が現れる。
我が身が欠けても愛する人を取り戻したいという執念と、これぞSFという物語構造に惹きつけられた。


ほかにもよかった映画がたくさんあった。以下に挙げたのはその一部。

  • ビビッドなアニメーションに目が釘付けとなる『スパイダーマン:スパイダーバース』
  • 潜水艦アクションのスリル満点『ハンターキラー 潜航せよ』
  • 絡み合う人間模様に青春を感じる『劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』
  • とにかくかわいい! この世界に行きたいと感じさせる『名探偵ピカチュウ
  • 人生ままならぬものだが、だからこそ美しい『長いお別れ』
  • ティーンズ向けと思いきや社会派要素もあり、クライマックスの演出が印象的な『小さな恋のうた』
  • 息をのむ展開でテロ事件を描く『ホテル・ムンバイ』
  • ディズニーミュージカルの力を見せつける『アナと雪の女王2』
  • 最後にタイトルの意味を噛みしめる『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』
  • 思う存分笑えるドタバタコメディ『カツベン!』

アニメ

荒ぶる季節の乙女どもよ。

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女子高生たちが性と恋を意識し翻弄される。
岡田麿里が原作・脚本ということで、生々しさにあふれる青春を存分に味わえた。

来年に向けて

よい年にする。

今年一年の楽しみを振り返る 2018

美しい世界に浸れる作品が多かった。

映画

さよならの朝に約束の花をかざろう


若い姿のまま長い年月を過ごす一族の娘・マキア。里の襲撃を受けて外の世界に投げ出された彼女が出会ったのは、一人取り残された赤ん坊だった。
岡田麿里の本領発揮というべき親子愛の描写に心打たれる。集団戦闘の動きとカメラワークにも引き込まれた。

君の名前で僕を呼んで


北イタリアの避暑地に来た少年が、父の手伝いに来た青年と出会う。
景色も人の触れ合いも、とにかくすべてが美しい。こんな美しい世界があるのかとため息が出るほどだ。

ペンギン・ハイウェイ


小学四年生のアオヤマ君が、街に突如現れたペンギンの謎を追っていく。
優しい世界に包まれるようなジュブナイル。少年のふるまいのひとつひとつがいとおしい。

億男


借金を抱え妻子と離れて暮らす一男が三億円の宝くじを当てる。
落語「芝浜」の世界に浸れる作品。サハラ砂漠で語られる「芝浜」のなんと美しいことか。

マダムのおかしな晩餐会


パーティの人数合わせのためにゲストに扮せられたメイド・マリアが、英国紳士にひとめぼれされてしまう。
コミカルな前半と裏腹にシリアスな後半に緊張が走る。People love happy endings.というセリフが重くのしかかる。


ほかにも心に残る作品は、

マンガ

見上げると君は

見上げると君は(1) (イブニングKC)

見上げると君は(1) (イブニングKC)

失恋した男子高校生・優希。ストリートミュージシャンの奏でるメロディが彼の琴線に触れる。
二人が同じく一歩を踏み出すといった、ひとつひとつの描写に心揺さぶられる。一話読むたびにセンス・オブ・ワンダーを感じ、「これはすごい」と声に出てしまう。

来年に向けて

美しい世界に触れたい。

『虎屋の五世紀』

虎屋の羊羹と言えばお詫びするときの定番の品。映画やドラマでも虎の並んだ紙袋を下げて謝りに行く姿がよく描写されます。

そんな老舗・虎屋の歴史をつづった書籍が、虎屋のWebサイトで公開されています。その名も『虎屋の五世紀』。

虎屋は室町時代創業とされていますが、それはあくまで「室町時代には確実に存在したに違いない」ということに過ぎず、奈良時代創業説もあるというから驚きです。

第二次世界大戦終戦直後は闇市にも手を出していたというのも面白いところ。読めば虎屋のお菓子を一層味わい深くいただけます。

今年一年の楽しみを振り返る 2017

よい作品が多く、特に映画は選びきれない。

映画

彼らが本気で編むときは、


小学生の少女・トモは叔父の家に駆けこむ。そこにいた叔父の恋人は性同一性障害の元男性だった。
様々な形の愛を抱えた作品。深く多様な愛に涙する。

ラ・ラ・ランド


ハリウッドで女優を目指す女、ジャズピアニストとしての成功を夢見る男。二人が出会った先には……。
冒頭のミュージカルシーンで心をつかまれ、終盤のミュージカルシーンに言葉を失った。夢とはかくも美しいものか! 呆然としつつも心を洗われる。

美女と野獣


田舎町の少女・ベルは父の行方を捜して野獣の住む城に乗り込む。
懐かしい音楽、圧巻のミュージカルシーン。幻想的なダンスシーンに、野獣の哀しい決意を歌った新曲。すべてが高次元の作品。

メッセージ


全世界に突如現れた宇宙船。地球外生命体とのコンタクトを図るため、我が子をなくした言語学者が召集される。
はるかな世界からやってきた「文字」に興味を引き付けられる。

トリガール!


男ばかりの工業大学に入学した烏山ゆきなは、王子様的な先輩につられて人力飛行サークルに入部する。
毒舌な主人公の、ベタな展開からちょっと外したコメディが楽しい。エンディングもよかった。


ほかによかった作品を挙げると、

マンガ

青のフラッグ

青のフラッグ 1 (ジャンプコミックス)

青のフラッグ 1 (ジャンプコミックス)

内向的な高校生・太一は同級生の少女・二葉のことが気になるが、彼女は太一の親友・桃真のことが好きだという。(既刊3巻)
「甘酸っぱい」では足りない、苦いまでの青春。そのまぶしさに悶絶する。

恋は光

恋は光 1 (ヤングジャンプコミックス)

恋は光 1 (ヤングジャンプコミックス)

恋とは無縁の大学生・西条は女性の恋心が「光」として見えるという。(全7巻)
真摯であることが必ずしも幸せにつながるのではないと感じているからこそ、真摯さの報われる物語には涙するところがあるのだろうか。彼ら彼女らに幸あれ。

小説

あしたはひとりにしてくれ

男子高校生・瑛人は家族に言えない秘密の場所で半死状態の女性を見つける。
竹宮ゆゆこの文体自他はそこまで好みというわけではないのだが、そこに描かれる「何ともならなさ」には強くひきつけられる。謎の女・アイスの正体が明らかになったところで彼女が叫ぶ「望み」、それがあっさり切り捨てられる様に唸った。

アニメ

月がきれい

「月がきれい」Blu-ray Disc BOX(初回生産限定版)

「月がきれい」Blu-ray Disc BOX(初回生産限定版)

中学3年の安曇小太郎は、家族で出かけたファミレスで同じく家族連れの同級生・水野茜を見かける。
まっすぐ見られないほどの瑞々しい青春。エンディングに映るケータイのメッセージで完全にやられた。

Just Because!

高校3年の2学期に以前住んでいた街に戻ってきた瑛太。かつての友人を含めた群像劇が幕を開ける。
青春、青春、また青春。登場人物それぞれの表情から目が離せない。

来年に向けて

これを書いている途中でテキストエディタがクラッシュしてしまい、保存の重要さを改めて痛感した。「後悔先にたたず、後悔後をたたず、後悔役にたたず」という高校の恩師の言葉を思い出す。来年に文章を書くときは適宜保存していきたい。

足が絡まっても踊り続ければいい

セント・オブ・ウーマン / 夢の香り